月給または時給から、時間外労働、深夜労働、休日労働に対する割増賃金(残業代)を自動計算します。労働基準法に基づいた法定割増率を適用します。
手取り額とは
手取り額とは、給与の総支給額から、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などの社会保険料と、源泉所得税、住民税などの税金を差し引いた後、実際に従業員の口座に振り込まれる金額を指します。企業から提示される「月給」や「年収」は通常この手取り額ではなく、税金などが引かれる前の総支給額(額面金額)です。そのため、家計の計画を立てる際には、この手取り額を把握することが重要です。
手取り額の計算方法
手取り額は、以下の順序で計算されます。
- 月額給与総額の確定: 年収の場合は12で割って月額に換算します。
- 社会保険料の計算:
- 健康保険料: 給与総額に事業所所在地の都道府県ごとに定められた料率を掛けて計算します。労使折半のため、本人負担はその半分です。
- 厚生年金保険料: 給与総額に全国一律の料率(2025年9月現在、18.3%)を掛け、労使折半します。
- 介護保険料: 40歳以上の従業員に発生します。給与総額に定められた料率を掛け、労使折半します。
- 雇用保険料: 給与総額に事業の種類に応じた料率(労働者負担分、一般事業で0.6%)を掛けて計算します。
- 課税所得の計算(概算): 給与総額から給与所得控除(簡易的に10%と仮定)、社会保険料の合計、そして基礎控除・扶養控除などの人的控除を差し引きます。
- 税金の計算:
- 源泉所得税: 上記の課税所得に簡易税率(5%)を適用して概算します。または、ユーザーが正確な概算額を直接入力することもできます。
- 住民税: 前年の所得に基づいて決定されますが、本ツールでは当年の課税所得を年額換算し、税率10%(均等割含む)を適用した月額を概算します。
- 手取り額の算出: 月額給与総額から、社会保険料合計と税金合計を差し引きます。
計算例
東京都に事業所があり、30歳で扶養家族がいない従業員が月給40万円を得ている場合を考えます(雇用保険料率0.6%、所得税・住民税はツールの概算計算を使用)。
- 月額給与総額: 400,000円
- 健康保険料(本人負担): 400,000円 × (9.87% / 2) ≈ 19,740円
- 厚生年金保険料(本人負担): 400,000円 × (18.3% / 2) = 36,600円
- 介護保険料: 30歳のため0円
- 雇用保険料(本人負担): 400,000円 × 0.6% = 2,400円
- 社会保険料合計: 19,740 + 36,600 + 0 + 2,400 = 58,740円
- 給与所得控除(月額): 400,000円 × 10% = 40,000円
- 人的控除(月額・扶養0人): (480,000円 + 380,000円 × 0) / 12 = 40,000円
- 課税所得(月額概算): 400,000 - 40,000 - 58,740 - 40,000 = 261,260円
- 源泉所得税(概算5%): 261,260円 × 5% ≈ 13,063円
- 住民税(概算): (261,260円 × 12 × 10%) / 12 ≈ 26,126円
- 差引額合計: 58,740 + 13,063 + 26,126 = 97,929円
- 月額手取り額: 400,000 - 97,929 = 302,071円
よくあるケースと注意点
扶養家族がいる場合: 所得税の扶養控除が適用され、課税所得が減少します。その結果、源泉所得税額と住民税額が減り、手取り額が増えます。
40歳を超えた場合: 介護保険料の負担が加わります。月々の社会保険料が増えるため、手取り額は少し減少します。
賞与(ボーナス): 本計算ツールは毎月の給与を対象としています。賞与の手取り額は、社会保険料の計算方法(標準賞与額に対する料率)や税金の徴収方法が異なる場合があります。
年末調整・確定申告: 1年間の所得と控除額が確定する年末調整や確定申告によって、源泉所得税の過不足が精算されます。最終的な年間の手取り総額はこれらが終了してから確定します。
次のステップ:雇用契約書の作成
給与条件が決まったら、労働条件を明確にした雇用契約書を作成することが法律で義務付けられています(労働基準法第15条)。当サイトの「雇用契約書」テンプレート(item_id 4422)を使用すれば、基本給(base_salary)などの重要な項目を記入し、法的に有効な契約書を簡単に作成できます。給与シミュレーションの結果を元に、契約条件を正確に反映させましょう。