産前産後休業の開始日・終了日と、健康保険から支給される出産手当金の日額・総額を自動計算します。
育児休業給付金とは
育児休業給付金は、雇用保険に加入している労働者が、1歳(一定の要件を満たせば2歳)までの子を養育するために育児休業を取得した場合に、休業中の生活を支援するために支給される給付金です。会社から賃金が支払われない期間の収入の一部を補填することを目的としています。原則として、休業開始前の賃金に基づいて計算され、2か月ごとにまとめて支払われます。
給付金の計算方法
育児休業給付金の額は、主に以下の3つの要素によって決まります。
- 休業開始前の賃金: 育児休業開始日前の6か月間に支払われた賃金の総額(税込)を180日で割り、「賃金日額」を算出します。この際、通勤手当や残業代なども含まれますが、賞与(ボーナス)は含まれません。
- 給付率: 休業開始後から180日目までは賃金日額の67%、181日目以降は50%が基本の給付率となります。ただし、2025年(令和7年)10月1日から2026年(令和8年)9月30日までの間に育児休業を開始し、配偶者も「出生時育児休業」(産後パパ育休)を取得する場合は、給付率の上限が80%に引き上げられる特例があります。この特例は、主に配偶者の「出生時育児休業」期間(通常、子の出生後8週間以内の期間)を対象としていますが、この計算ツールでは簡略化のため、対象となる場合、ご自身の育児休業全体に対して80%の上限が適用されるものとして計算します。
- 休業日数: 実際に育児休業を取得した暦日数(開始日から終了日までの日数+1日)に基づいて計算されます。
さらに、賃金日額には上限が設けられており、これは毎年8月1日に見直されます。計算では、上記で算出した賃金日額とこの上限額のいずれか低い方が、実際の給付金算定の基礎となる「給付金算定の基礎となる日額」となります。
計算例
ケース1: 標準的な180日休業(配偶者休業なし)
休業開始前6か月の総支給額が360万円、育児休業を180日間(2026年4月1日~9月27日)取得し、配偶者は休業を取得しない場合の計算は以下の通りです。
- 賃金日額: 3,600,000円 ÷ 180日 = 20,000円
- 給付金算定基礎日額: 20,000円(上限額11,833円より高いため、上限額が適用) = 11,833円
- 給付額(180日間すべて67%適用): 11,833円 × 180日 × 0.67 = 1,427,060円
これが基本の給付額となります。
ケース2: 長期休業(配偶者休業あり、補助対象)
1年間(365日)の育児休業を取得し、賃金日額が15,000円(上限額未満)、配偶者も「出生時育児休業」を取得し、かつ休業開始日が2026年1月5日(特例期間内)の場合:
- 初期期間(180日)の基本給付額: 15,000円 × 180日 × 0.67 = 1,809,000円
- 後期期間(185日)の基本給付額: 15,000円 × 185日 × 0.50 = 1,387,500円
- 基本給付額の合計: 1,809,000円 + 1,387,500円 = 3,196,500円
- 80%特例適用時の上限額計算: 15,000円 × 365日 × 0.80 = 4,380,000円
- 特例による増額額: 4,380,000円 - 3,196,500円 = 1,183,500円
- 合計給付額: 3,196,500円 + 1,183,500円 = 4,380,000円
よくあるケースと注意点
- 高収入の場合: 賃金日額が毎年設定される上限額を超える場合は、上限額を基に計算されるため、実際の賃金よりも給付額は低くなります。上限額は厚生労働省のウェブサイトで確認できます。
- パートタイム労働者の場合: 雇用保険の一般被保険者であり、休業開始前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あれば、受給資格があります。計算方法は同じです。
- 双子以上の多胎児の場合: 1子ごとに個別に給付金が計算、支給されます。したがって、双子の場合は2人分支給対象となります。
- 休業中の就労: 休業中に就労し、その賃金と給付金の合計が休業開始前の賃金日額の80%を超えると、その分の給付金は支給されません。就労日数が10日以下などの要件を満たせば、一部就労も可能ですが、詳細はハローワークに確認が必要です。
給付金申請の流れと必要な書類
給付金の受給には、勤務先を通じて、またはご自身でハローワークに申請する必要があります。申請は通常、2か月分ごとに行います。まず最初に行うべきことは、勤務先に育児休業の意向を伝え、育児休業申出書を提出することです。この書類は、休業の開始日と終了日を明確にし、会社側の手配を促す正式な書面となります。この計算ツールで求めた休業期間を、そのまま申出書の日付欄に記入することができます。
給付金の申請に必要な主な書類は以下の通りです(詳細はハローワークにより異なります)。
- 育児休業給付金支給申請書
- 育児休業給付受給資格確認票
- 賃金台帳や給与明細の写し(休業開始前6か月分)
- 雇用保険被保険者証
- 母子健康手帳の写しなど、子の生年月日が確認できる書類
申請は複雑な場合もあるため、事前に勤務先の総務部門や、管轄のハローワークの窓口に相談することをお勧めします。
まとめ
育児休業給付金は、子育てと仕事の両立を支援する重要な制度です。この計算ツールを使うことで、ご自身の状況に基づいた受給見込額を簡単に把握できます。計算結果はあくまで目安ですが、計画を立てる際の参考としてご活用ください。実際の申請にあたっては、必ず最新の法令とハローワークの指示に従って手続きを進めてください。