育児休業給付金の受給額を、休業開始前の賃金と休業期間に基づいて計算します。配偶者の休業取得状況も考慮します。
産休期間と出産手当金の計算方法
妊娠・出産を控えた働く女性は、法律で定められた「産前産後休業(産休)」を取得する権利があります。同時に、健康保険から「出産手当金」が支給されます。このツールは、産休の開始日・終了日と、出産手当金の日額・総額を自動的に計算します。
産前産後休業の期間
労働基準法第65条により、産休は以下のように区分されます。
- 産前休業:出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から、出産日までの間で取得できます。本人の請求が必要です。
- 産後休業:出産日の翌日から8週間は、本人が請求しなくても就業させてはならないと定められています(ただし、本人が請求し、医師が支障ないと認めた業務については、産後6週間を経過した後から就業可能です)。
出産手当金の計算方法
健康保険法第99条に基づき、産休期間中に給与の支払いがない場合、健康保険から出産手当金が支給されます。
- 1日あたりの報酬平均額:直近12ヶ月間の「標準報酬月額」の平均を30日で割って算出します。
- 支給日額:上記の1日あたりの報酬平均額の3分の2(約66.67%)が1日あたりの支給額となります。
- 支給総額:支給日額に、産前休業と産後休業の支給対象日数を乗じて算出します。
計算例:単胎妊娠の場合
出産予定日が2026年12月1日、標準報酬月額の平均が320,000円の場合を考えます。
- 産前休業開始日:2026年12月1日の6週間前、つまり2026年10月20日から取得可能です。
- 産後休業終了日:2026年12月1日の翌日から8週間後、つまり2027年1月26日までです。
- 出産手当金日額:320,000円 ÷ 30日 × 2/3 = 約7,111円
- 支給総額の目安:産前休業(10月20日〜12月1日:42日間)と産後休業(56日間)の合計98日間 × 7,111円 = 約696,878円
計算例:多胎妊娠で出産日が早まった場合
出産予定日が2026年11月15日、実際の出産日が2026年10月28日、標準報酬月額の平均が380,000円、多胎妊娠の場合を考えます。
- 産前休業開始日:出産予定日(11月15日)の14週間前、つまり2026年8月7日から取得可能です。実際の出産日が早まっても、この開始可能日は変わりません。
- 産後休業終了日:実際の出産日(10月28日)の翌日から8週間後、つまり2026年12月22日までです。
- 出産手当金日額:380,000円 ÷ 30日 × 2/3 = 約8,444円
- 支給総額の目安:産前休業(8月7日〜10月28日:82日間)と産後休業(56日間)の合計138日間 × 8,444円 = 約1,165,272円
よくあるケースと注意点
出産日が予定より早まった・遅れた場合:実際の出産日を入力することで、正確な産後休業終了日と支給対象日数を計算できます。産前休業の開始日は、あくまで出産予定日を基準に計算した「取得可能な最も早い日」ですので、実際の開始日はそれ以降となります。出産が予定より遅れた場合、産前休業の対象日数は増えます。
標準報酬月額が分からない場合:給与明細の「健康保険料」の欄や、事業主が発行する「標準報酬決定通知書」で確認できます。正確な額は勤務先にご確認ください。直近12ヶ月分の平均を計算するのが難しい場合は、現在の標準報酬月額を目安に入力してください。
産前休業の実際の開始日:計算で示される開始日は、法律上取得可能な最も早い日です。体調や仕事の引き継ぎ状況を考慮して、この日以降の任意の日から休業を開始できます。その場合、産前休業の支給対象日数は実際に休業した日数分となります。
次のステップ:産休申請書の作成
産休を取得するには、勤務先に対して「産前産後休業申出書」を提出する必要があります。このツールで計算した産前休業希望開始日や出産予定日を、申請書に記入して提出しましょう。申請書には、従業員情報や休業期間の他、医師の診断書を添付する場合もあります。早めに準備し、余裕を持って提出することが大切です。
産休中は心身ともに負担がかかる時期です。法律で認められた権利を正しく理解し、しっかりと休養を取り、出産と育児に備えましょう。